東京地方裁判所立川支部における自己破産申立書の作成・記載方法
東京地方裁判所立川支部においては,立川支部での申立て用の自己破産申立書の書式が用意されています。東京地裁本庁のものとそれほど異なりませんが,若干の違いがあります。
自己破産の申立書は,裁判所ごとに若干書式が異なる場合があります。東京地方裁判所の本庁と立川支部でも書式に若干の違いがあります。
ここでは,この東京地方裁判所立川支部の自己破産申立書はどのように作成・記載すればよいのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。
- 東京地裁立川支部における破産手続開始・免責許可の申立書
- 表題部
- 申立人の氏名等
- 申立人の本籍・住所等
- 申立人代理人
- 申立ての趣旨,申立ての原因
- 手続についての意見
- 生活保護受給
- 法律扶助決定
- 所有不動産
- 関連事件
- 印紙代・郵券額等の記載
(著者 : 弁護士 志賀 貴 )
東京地裁立川支部における破産手続開始・免責許可の申立書
自己破産の手続を開始してもらうためには,管轄の裁判所に破産手続開始の申立てをしなければなりません。
また,免責を許可してもらわなければ,自己破産を申し立てる意味がなくなってしまいますから,破産手続開始の申立てとは別に,免責許可の申立てもする必要があります。
これらの申立ては,書面を提出して行います。破産手続開始の申立てを行う書面を破産手続開始の申立書といい,免責許可の申立てを行う書面を免責許可の申立書といいます。
破産手続と免責手続は,破産法上別々の手続ではありますが,実際上は,一体の手続といってよいものです。そのため,自己破産の場合,2つの申立ては同時になされるのが通常です。
そのため,東京地裁本庁や東京地裁立川支部では,あらかじめ2つの申立書が一体となった「破産手続開始・免責許可の申立書」の書式が用意されています。
ただし,本庁と立川支部とでは,破産手続開始・免責許可申立書の書式に若干の違いがあります。
東京地裁立川支部の破産手続開始・免責許可申立書(代理人申立用)
以下は,この東京地裁立川支部の破産手続開始・免責許可の申立書(代理人申立用)の書式に沿って,その作成・記載方法・書き方を説明していきます。
※なお,上記書式は令和4年11月26日現在の書式です。最新版でない可能性もありますので,ご注意ください。以下のページで確認できます。
>> 立川支部破産書式集(東京三弁護士会多摩支部サイトから)
表題部
破産手続開始・免責許可の申立書の表題部には,「破産手続開始・免責許可申立書(代理人申立用)」と印字されています。
表題部の右収入印紙欄部分に,手数料として収入印紙1500円分を貼り付けます。消印はしません。郵券(郵便切手)は貼り付けずに,裁判所が指定する種類・枚数を提出します。
表題部のすぐ下の日付欄には,申立書を提出した年月日を記載します。
申立人の氏名等
破産手続開始・免責許可の申立書の申立人氏名の欄には,申立てをした人の氏名を記載し,ふりがなを振ります。
旧姓や通称がある人は,その旧姓や通称を記載し,そのふりがなを振ります。ただし,常に記載する必要はありません。旧姓や通称で借入れ等をした場合だけ記載すれば足ります。
次に生年月日を記載します。ここには年齢も記載します。
申立人の本籍・住所等
本籍は,破産手続開始・免責許可の申立書への記載不要です。申立書には必ず住民票を添付しなければならないのですが,本籍地は,その住民票に記載されているからです。
現住所については,添付した住民票のとおりであれば,「別添住民票記載のとおり」のチェックボックスにチェックをして,郵便番号を記載すれば足ります。
住所を移転したもののまだ住民票を変えていないというような場合には,「住民票と異なる場合」のチェックボックスにチェックして,実際に居住している住所の郵便番号と実際の住所を記載します。
住所以外にも現に住んでいるところ(居所)があるという場合には,現居所の欄に,その居所の郵便番号を記載した上で,その下の余白部分に,その居所の場所(住所)を記載します。
また,東京地裁立川支部の場合には,申立人の電話番号の記載も必要となります。電話番号は,連絡可能で,かつ連絡のとりやすい携帯電話番号などを,電話番号欄に記載します。
申立人代理人
ここには,弁護士代理人の氏名,事務所所在地,電話番号,FAX番号を記載します。
申立ての趣旨,申立ての原因
東京地裁立川支部の破産手続開始・免責許可の申立書の書式では,申立ての趣旨・原因のいずれも印字されているので,自分で記載する必要はありません。
申立ての趣旨とは,簡単に言うと,破産手続開始の申立て又は免責許可の申立てをすることによって,裁判所に決定してもらいたいことは何かということです。
破産手続開始の申立てをするのは,破産手続を開始する決定を出してもらうためであり,免責許可の申立てをするのは,裁判所に免責許可決定を出してもらうためです。
そのため,申立ての趣旨には,「1 申立人について破産手続を開始する。」,「2 申立人(破産者)について免責を許可する。」「との裁判を求める。」という文言が印字されています。
申立ての原因とは,破産手続開始原因があるということです。個人の自己破産の場合であれば,支払不能の状態にあるかどうかを記載することになります。
東京地裁立川支部の破産手続開始・免責許可の申立書書式では,「申立人は,添付した債権者一覧表のとおりの債務を負担しているが,添付した書面等のとおり,支払不能の状態にある。」と印字されています。
手続についての意見
手続についての意見とは,当該破産事件が,同時廃止事件なのか,それとも少額管財なのか,について意見を記載するということです。あくまで意見ですから,裁判所がどのように判断するかは,また別の話です。
同時廃止であるという意見の場合には「同時廃止」のチェックボックスにチェックします。
少額管財であるという意見の場合には「少額管財」のチェックボックスにチェックをして,引継予納金の金額を記載します。引継予納金を代理人弁護士が預かっている場合は,「申立代理人預かり済」のチェックボックスにチェックをします。
生活保護受給
生活保護を受給している場合には,生活保護受給欄の「有」に〇を付け,受給していない場合には,この欄の「無」に〇を付けます。
生活保護受給「有」に〇を付けた場合には,資料の提出が必要となります。具体的には,生活保護受給証明書の写しを添付する必要があります。
生活保護受給証明書の写しを添付した場合には「生活保護受給証明書の写し」のチェックボックスにチェックをします。
生活保護は貧困状態にある人に与えるものです。したがって,貧困状態かどうかについて厳格な審査があります。破産手続と類似した厳しい審査があるのです。
この審査を経ている以上,支払不能である可能性は高いことを裁判所も推測しやすいため,記載を求められています。
法律扶助決定
自己破産の弁護士報酬等について,日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助制度を利用している場合もあるでしょう。
民事法律扶助を利用し,すでに法律扶助の決定が出ている場合には,法律扶助決定欄の「有」に〇を付け,利用していない又は決定が出ていない場合には,この欄の「無」に〇を付けます。
所有不動産
不動産を所有している場合には,所有不動産「有」に〇を付け,所有していない場合には,「無」に〇を付けます。
「有」に〇をつけた場合には,次にオーバーローンかどうかが問題となります。
不動産が1.5倍以上のオーバーローンである場合には,破産手続内において換価処分せず,手続を同時廃止にすることがあるため,オーバーローンである場合には,オーバーローンの定型上申書を添付した上で,「オーバーローンの定型上申書あり」欄のチェックボックスにチェックをし,何倍のオーバーローンであるのかを記載します。
関連事件
関連事件の欄には,例えば,関連する法人破産事件があるかどうか,保証人,親・兄弟・親族等の家計を同じにする人などが,破産,個人再生や民事再生手続をしているかどうか,あるいは,それらの申立てをする予定があるかどうかを記載します。
具体的には,上記のような関連事件があるという場合には「有」に,無い場合には「無」に〇を付けます。
関連事件があり,しかも,すでにその事件が開始されている場合には,その事件の事件番号や内容等について記載し,その事件を関連事件として取扱ってもらいたい旨の上申書等を作成して,その上申書を申立書に添付します。
印紙代・郵券額等の記載
東京地裁立川支部の破産手続開始・免責許可申立書1ページ目の右下にある欄には,記載不要です。
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