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特定調停

特定調停の利用条件(要件)

多重債務の問題を解決するための裁判手続として「特定調停」制度が用意されています。ここでは,特定調停を利用するための要件についてご説明いたします。

特定調停とは

特定調停とは,裁判所の裁判手続の1つである民事調停制度のうちで,特に多重債務借金返済の問題の解決に特化した手続です。

通常の民事調停とは異なる特殊な手続であることから,民事調停法だけでなく,「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」(特定調停法)によって規律が定められています。

具体的には,裁判所の選任した調停委員が,債務者から生活状況や負債の状況を聴取しつつ,各債権者と話をし,返済可能な限度の和解をしていくという手続になっています。

>> 特定調停とは?

特定調停の利用条件(要件)

特定調停は借金問題に特化した裁判手続です。したがって,誰でも利用できるというわけではありません。一定の法律上の要件を満たしている必要があります。具体的には,以下の要件が必要となってきます。

特定債務者とは

特定債務者とは,「金銭債務を負っている者であって,支払不能に陥るおそれのあるもの若しくは事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの又は債務超過に陥るおそれのある法人をいう。」とされています(特定調停法2条1項)。

債務者ですから債務を負担している者であるということになりますが,特定調停を利用できるのは,そのうちでも金銭債務を負っている方です。借金はもちろん金銭債務に含まれますが,買掛金なども金銭債務に含まれます。

また,金銭債務を負っているというだけでなく,個人の場合であれば,「支払不能に陥るおそれ」がある場合か,「事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難である」場合である必要があります。

この要件は,基本的に個人再生手続開始原因と同様です。

支払不能とは,簡単にいえば,通常の方法では返済できない状況にあることをいいます。具体的にいえば,ご自身の収入だけでは返済できず,借金をして借金を返すような状態になってしまっているということです。

特定調停の場合には,現に支払不能となっていることまでは必要ではありません。個人再生の場合と同様,支払不能となるおそれがあれば足ります。

また,個人事業者や法人に関係していきますが,支払不能のおそれだけではなく,事業用の重要財産を処分しなければ返済ができない状態にあるなどの場合にも,特定調停の利用が可能となります。

特定調停は,上記のとおり,個人だけでなく法人も利用可能です。法人の場合には,上記2つの場合のほか,「債務超過」の場合も特定調停が利用できます。

なお,これらの要件については,裁判所の方でもかなり柔軟な対応がなされているようです。厳密に要件を満たしているかどうかについては,あまり深く悩む必要はないでしょう。基本的には,借金の返済で生活が圧迫されてきているという状態であれば,「特定債務者」の要件ありと判断されると思います。

>> 特定債務者とは?

特定調停手続により調停を行うことを求める旨の申述

手続的な要件ですが,特定調停を利用するためには,調停を申し立てる際に,「特定調停手続により調停を行うことを求める旨の申述」をしなければなりません。

といっても,特に難しいものではありません。裁判所に提出する申立書に「特定調停手続により調停を行うことを求める。」という記載をしておくだけです。

実際には,各裁判所に特定調停申立書のひな形が用意されており,すでにそのひな形の中にこの文言も入れられているので,さほど心配する必要はないでしょう。

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