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個人再生の申立て

個人再生における基準債権とは?

基準債権とは,無異議債権・評価済債権から,別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額および民事再生法84条2項各号に掲げる請求権を除いたものをいいます(民事再生法231条2項3号)。この基準債権は,個人再生における最低弁済額の基準とされます。

ここでは,個人再生における基準債権について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

個人再生における基準債権

民事再生法 第231条 第2項

小規模個人再生においては,裁判所は,次の各号のいずれかに該当する場合にも,再生計画不認可の決定をする。
③ 前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が3000万円を超え5000万円以下の場合においては,当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第84条第2項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の10分の1を下回っているとき。

個人再生申し立てる目的は,借金などの債務減額した上で分割払いにするという内容の再生計画を策定し,その再生計画を裁判所に認可してもらうところにあります。

とはいえ,いくらでも減額できるわけではありません。どの程度減額できるのかは,民事再生法によってが定められています。

この減額の最低限度を画する基準が「最低弁済額」です。小規模個人再生であれ給与所得者等再生であれ,最低弁済額よりも少額にまで減額することはできません。

最低弁済額は,以下の基準によって定められています。

  • 無異議債権額および評価済債権額の総額が3000万円以下の場合は,基準債権額による。
    • 基準債権額が100万円未満の場合,最低弁済額は「その基準債権額」
    • 基準債権額が100万円以上500万円未満の場合,最低弁済額は「100万円」
    • 基準債権額が500万円以上1500万円未満の場合,最低弁済額は「基準債権の5分の1」
    • 基準債権額が1500万円以上の場合,最低弁済額は「300万円」
  • 無異議債権額および評価済債権額の総額が3000万円を超え,5000万円以下の場合,最低弁済額は「無異議債権額および評価済債権額の総額の10分の1」

上記のとおり,無異議債権額および評価済債権額の総額が3000万円以下の場合,最低弁済額は「基準債権」の額によって定められます(民事再生法231条2項3号)。

基準債権とは,無異議債権・評価済債権から,別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額および民事再生法84条2項各号に掲げる請求権を除いたものをいいます。

文字どおり,個人再生の再生計画において最も気を付けなければならない最低弁済額の基準となるものが,基準債権です。

>> 個人再生における最低弁済額とは?

無異議債権・評価済債権

前記のとおり,基準債権とは,無異議債権・評価済債権から,別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額および民事再生法84条2項各号に掲げる請求権を除いたものです。

したがって,基準債権というためには,そもそも無異議債権・評価済債権とは何かを知っておく必要があります。

まず,「無異議債権」とは,再生手続における再生債権の認否において,再生債務者または他の再生債権者から異議を述べられなかった届出再生債権のことをいいます(民事再生法230条8項)。

また,「評価済債権」とは,再生手続における再生債権評価手続によって債権の存否や金額が確定された届出再生債権のことをいいます(民事再生法230条8項)。

個人再生において減額の対象となるのは「再生債権」です。

個人再生の申立てがなされ,裁判所によって再生手続が開始されると,裁判所から各再生債権者に対して再生債権を届け出るよう通知され,これに応じて各再生債権者は各自の有する再生債権の内容や金額を届け出ることができます。届出のされた再生債権を「届出再生債権」といいます。

再生債務者または他の再生債権者は,届出再生債権について認否を行います。この認否において異議が述べられなかった届出再生債権を無異議債権と呼んでいます。

異議が述べられた届出再生債権者は,裁判所に対して再生債権評価を申し立てることができ,これに応じて,裁判所は再生債権評価手続を行います。この再生債権評価手続において,裁判所によって再生債権の金額等が定められた届出再生債権を評価済債権と呼んでいます。

>> 個人再生における無異議債権・評価済債権とは?

別除権行使により弁済が見込まれる再生債権の控除

民事再生法 第53条

第1項 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき存する担保権(特別の先取特権,質権,抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。第3項において同じ。)を有する者は,その目的である財産について,別除権を有する。
第2項 別除権は,再生手続によらないで,行使することができる。
第3項 担保権の目的である財産が再生債務者等による任意売却その他の事由により再生債務者財産に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も,その目的である財産について別除権を有する。

前記のとおり,基準債権は,無異議債権・評価済債権から,別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額および民事再生法84条2項各号に掲げる請求権を除いたものです。

ここでいう「別除権」とは,再生手続開始時に再生債務者が有する財産に設定されている担保権(特別の先取特権・質権・抵当権・商事留置権)に基づき,その特定の財産について,再生手続によらずに優先的・個別的に弁済を受けることができるという権利のことをいいます(民事再生法53条)。

例えば,ある物について,何らかの債権を担保するための質権や抵当権などが設定されている場合,その担保権者は,再生手続が開始されていたとしても,それにかかわらず,質権や抵当権などを実行して債権を回収することができるということです。

この質権や抵当権などを実行しても,再生債権の全額を回収することができなかった場合,その担保権者は,回収できなかった金額分についてだけ,再生手続に再生債権者として参加できます。

基準債権は,この再生手続外における別除権行使によって回収できる再生債権が無異議債権・評価済債権から除かれたものです。

民事再生法84条2項各号の請求権の控除

民事再生法 第84条 第2項

第2項 次に掲げる請求権も,再生債権とする。
① 再生手続開始後の利息の請求権
② 再生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権
③ 再生手続参加の費用の請求権

基準債権は,上記別除権行使により弁済が見込まれる再生債権だけでなく,民事再生法84条2項各号に掲げる請求権も,無異議債権・評価済債権から控除されたものです。

民事再生法84条2項各号に掲げる請求権とは,以下のものです。

  • 再生手続開始後の利息の請求権
  • 再生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権
  • 再生手続参加の費用の請求権

これらの請求権も再生債権ですが,基準債権から控除されます。

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