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基本法律用語の解説

民事法定利率・商事法定利率とは?

法律で定められた利率のことを法定利率といいます。法定利率は民法に定められています(民法404条)。民法改正(令和2年4月1日施行)前は,商事債権の法定利率を年6パーセントとする商法514条の規定が設けられていました(民法改正に伴って削除されました。)。そのため,民法上の法定利率を「民事法定利率」、商法上の法定利率を「商事法定利率」と呼んで区別していたのです。

ここでは,この民事法定利率と商事法定利率について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

法定利率

金銭債権について利息がつけられる場合,その利息の利率は,法律で定められる場合と当事者間の合意によって定められる場合があります。前者の場合を法定利率といい,後者の場合を約定利率といいます。

法定利率は,民法に定められています(民法404条)。

かつては,商事債権の法定利率を年6パーセントとする商法514条の規定が設けられていましたが,民法改正(令和2年4月1日施行)に伴って削除され,商事債権についても民法上の法定利率が適用されることになりました。

上記のとおり,かつては民法上の法定利率と商法上の法定利率があったことから,民法上の法定利率を「民事法定利率」,商法上の法定利率を「商事法定利率」と呼んで区別していました。

民法改正に伴って商事法定利率が削除されたので,今後は,民事法定利率と商事法定利率という区別は無くなっていくかもしれません。

ただし,令和2年4月1日より前に発生していた利息については,改正前の利率が適用されます(改正民法附則15条1項)。商事債権であれば,従前の商事法定利率が適用されるということです。

したがって,令和2年4月1日より前に発生していた利息については,現在でも,民事法定利率と商事法定利率という区別は意味を持ちます。

>> 法定利率・約定利率とは?

民事法定利率

民法 第404条

第1条 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは,その利率は,その利息が生じた最初の時点における法定利率による。
第2条 法定利率は,年3パーセントとする。
第3条 前項の規定にかかわらず,法定利率は,法務省令で定めるところにより,3年を一期とし,一期ごとに,次項の規定により変動するものとする。
第4条 各期における法定利率は,この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。
第5条 前項に規定する「基準割合」とは,法務省令で定めるところにより,各期の初日の属する年の6年前の年の1月から前々年の12月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が1年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を60で除して計算した割合(その割合に0.1パーセント未満の端数があるときは,これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

(参考)改正前の民法 404条

利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは,その利率は,年5分とする。

前記のとおり,民事法定利率は民法404条に定められています。

民法改正前の法定利率は年5分(年5パーセント)とされていましたが,民法改正によって,年3パーセントになりました(民法404条2項)。

ただし,この法定利率は3年ごとに見直され,3年を一期として,その一期ごとに変動することとされました(同条3項)。

もっとも,前記のとおり,令和2年4月1日より前に発生していた利息については,改正前の民事法定利率年5パーセントが適用されます(改正民法附則15条1項)。

なお,「別段の意思表示」がある場合には,法定利率は適用されません(民法404条1項)。「別段の意思表示」とは,当事者間で約定利率を定めた場合のことです。

したがって,当事者間で約定利率を定めていた場合には,法定利率は適用されず,約定利率が優先して適用されることになります。

商事法定利率

(参考)削除前の商法 514条

商行為によって生じた債務に関しては,法定利率は,年6分とする。

前記のとおり,民法改正前は,商事債権については,民事法定利率よりも利率の大きい商事法定利率が適用されていました。具体的に言うと,商事法定利率の利率は,年6分(年6パーセント)とされていました。

商取引の場合には,非商取引よりも多くの利益を生み出す可能性があること等の理由から,民事法定利率よりも利率の大きい商事法定利率が適用されていたのです。

なお,この商事法定利率は民法改正に伴い削除されましたが,前記のとおり,令和2年4月1日より前に発生していた「商行為によって生じた債務」の利息については,年6パーセントの商事法定利率が適用されます。

債務整理・過払金返還請求との関わり

この民事法定利率か商事法定利率かという問題は,債務整理や過払い金返還請求においても関わってきます。特に関連してくるのは,過払い金返還請求における過払い金の利息の利率の問題でしょう。

過払い金が発生している場合,その相手方となる貸金業者が悪意の受益者に当たるといえるときには,過払い金に利息を付して返還するように請求できます。

この場合に,過払い金の利息の利率は法定利率によって定められることに争いはないでしょうが,では,民事法定利率なのか商事法定利率なのかという点については,かつて論争がありました。

消費者側からは,会社形態をとる貸金業者は商人である以上,過払い金の利息の利率は商事法定利率とすべきという主張がなされていましたが,残念ながら,最高裁判所の判例によって,過払い金の利息の利率には民事法定利率が適用されるという判断がなされました。

現在では,過払い金の利息の利率は民事法定利率で計算するのが実務といってよいでしょう。

また,民法改正により,今後,令和2年4月1日以降の過払金利息の利率を年3パーセントで計算するのか,それとも改正前の年5パーセントで計算するのかといったような争点が生じるかもしれません。

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