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基本法律用語の解説

弁済による代位とは?

弁済による代位とは,一定の第三者が弁済をした場合,求償権の範囲内において,債権の効力および担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができるようになることをいいます。この弁済による代位の効力を生じる第三者による弁済のことを代位弁済といいます。弁済による代位には,法定代位と任意代位があります。

ここでは,弁済による代位について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

弁済による代位とは

債務について弁済をするのは,当然,債務者です。もっとも,債務者以外の第三者が債務の弁済をする場合もあります。

例えば,保証人です。債務者が債務を弁済しなかった場合,保証人が債務者に代わって債務の弁済をすることになります。

第三者が弁済をすると,その第三者は債務者に対して求償権を取得します。しかし,ただ求償権を取得するだけでは,債務者に十分な資力がない場合,第三者弁済した分を満足に回収できないことがあります。

それでは,債務者のために弁済をした第三者に不利益を被らせてしまいます。

そこで,弁済者の利益を保護するため,民法では「弁済による代位」の制度を設けています。

すなわち,弁済による代位とは,一定の第三者が弁済をした場合,その第三者が,求償権の範囲内において,債権の効力および担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができるようになることをいいます。

そして,この弁済による代位の効力を生じる第三者による弁済のことを「代位弁済」と呼んでいます。

弁済による代位の効果

民法 第501条

前二条の規定により債権者に代位した者は,自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において,債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。この場合においては,次の各号の定めるところに従わなければならない。
 保証人は,あらかじめ先取特権,不動産質権又は抵当権の登記にその代位を付記しなければ,その先取特権,不動産質権又は抵当権の目的である不動産の第三取得者に対して債権者に代位することができない。
 第三取得者は,保証人に対して債権者に代位しない。
 第三取得者の一人は,各不動産の価格に応じて,他の第三取得者に対して債権者に代位する。
 物上保証人の一人は,各財産の価格に応じて,他の物上保証人に対して債権者に代位する。
 保証人と物上保証人との間においては,その数に応じて,債権者に代位する。ただし,物上保証人が数人あるときは,保証人の負担部分を除いた残額について,各財産の価格に応じて,債権者に代位する。
 前号の場合において,その財産が不動産であるときは,第1号の規定を準用する。

民法 第502条

第1項 債権の一部について代位弁済があったときは,代位者は,その弁済をした価額に応じて,債権者とともにその権利を行使する。
第2項 前項の場合において,債務の不履行による契約の解除は,債権者のみがすることができる。この場合においては,代位者に対し,その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない。

弁済による代位が成立した場合,弁済者は,債権者に「代位」するという効果が生じます。

具体的に言うと,弁済者は,弁済によって取得した求償権の範囲内において,債権の効力および担保として債権者が有していた一切の権利を行使することができるようになるということです(民法501条柱書)。

弁済による代位により,債権者が債務者に対して有していた債権(原債権)とその債権の担保権は弁済者に移転し,その弁済者は,債権者に代わってその債権と担保権を行使できることになります。

つまり,弁済者は,債務者に対して,原債権の弁済を求めることができ,また,その債権の担保権を実行して原債権に充てることができるということです。

また,原債権が弁済者に移転するので,その債権について債務不履行があった場合,損害賠償を請求することも可能となります。

なお,債権の一部について代位弁済した場合には,その弁済した部分についてのみ弁済による代位の効果が生じます。

そして,弁済者は,代位弁済がされていない部分について権利を有する債権者とともに,一部代位弁済をした価額に応じて権利を行使することになります(民法502条1項)。

ただし,この場合,債務不履行があったときでも,契約の解除をすることができるのは,債権者のみです。代位弁済者は契約を解除することはできません(民法502条2項本文)。

弁済による代位の種類

民法 第499条

第1項 債務者のために弁済をした者は,その弁済と同時に債権者の承諾を得て,債権者に代位することができる。
第2項 第467条の規定は,前項の場合について準用する。

民法 第500条

弁済をするについて正当な利益を有する者は,弁済によって当然に債権者に代位する。

弁済による代位には,「任意代位」と「法定代位」の2種類があります。

法定代位とは,弁済をするについて正当な利益を有する者が弁済した場合のことをいいます(民法500条)。

法定代位の場合,代位弁済をすると,その弁済者は当然に債権者に代位することになります。

弁済をするについて正当な利益を有する者としては,保証人・連帯保証人・連帯債務者・物上保証人など,弁済をしなければ債権者から強制執行等を受ける可能性がある者や,後順位抵当権者・他の債権者など,弁済をしなければ自己の権利を失う可能性がある者が含まれます。

他方,弁済をするについて正当な利益を有する者以外の第三者が弁済をした場合には,債権者の同意を得て弁済したときのみ,債権者に代位することができます。これを任意代位といいます(民法499条)。

任意代位が成立するためには,弁済と同時に,債権者から代位することについて同意を得ることが必要です。

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