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過払い金返還請求

最高裁判所第三小法廷昭和44年11月25日判決

元利一括払いの場合であっても過払い金(過払金)返還請求が可能であることを認めた最高裁判所判例が,最高裁判所第三小法廷昭和44年11月25日判決です。ここでは,この最高裁判所第三小法廷昭和43年11月25日判決について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

過払い金返還請求と最大判昭和43年11月13日判決

現在では当たり前に認められている過払い金返還請求ですが,最初から当然に認められていたわけではなく,最高裁判所において過払い金返還請求が認められたのは,最高裁判所大法廷昭和43年11月13日判決からのことです。

もっとも,上記昭和43年11月判例は,あくまで元本完済後の支払いが過払い金となるという判断しかしておらず,一括で元本と利息を支払った場合でも過払金返還請求ができるのかどうかということについては,明確に判断していませんでした。

この元利一括払いの場合でも過払い金返還請求が認められるのかどうかについて判断をした判例が,最高裁判所第三小法廷昭和44年11月25日判決です。

最三小判昭和44年11月25日

最高裁判所第三小法廷昭和44年11月25日判決は,以下のとおり判示しています。

債務者が利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息・損害金を任意に支払ったときは,右制限をこえる部分は,民法491条により,残存元本に充当されるものと解すべきことは,当裁判所の判例とするところであり(昭和35年(オ)第1151号,同39年11月18日言渡大法廷判決・民集18鰲9号1868頁参照),また,債務者が利息制限法所定の制限をこえて任意に利息・損害金の支払を継続し,その制限超過分を元本に充当すると,計算上元本が完済となったとき,その後に支払われた金額は,債務が存在しないのにその弁済として支払われたものに外ならず,不当利得としてその返還を請求しうるものと解すべきことも当裁判所の判例の示すところである(昭和41年(オ)第1281号,同43年11月13日言渡大法廷判決・民集22鰲12号2565頁参照)。そして,この理は,債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を,元本とともに任意に支払った場合においても,異なるものとはいえないから,その支払にあたり,充当に関して特段の指定がされないかぎり,利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金はこれを元本に充当し,なお残額のある場合は,元本に対する支払金をもってこれに充当すべく,債務者の支払った金額のうちその余の部分は,計算上元利合計額が完済された後にされた支払として,債務者において,民法の規定するところにより,不当利得の返還を請求することができるものと解するのが相当である。けだし,そのように解しなければ,利息制限法所定の制限をこえる利息・損害金を順次弁済した債務者と,かかる利息・損害金を元本とともに弁済した債務者との間にいわれのない不均衡を生じ,利息制限法1条および4条の各2項の規定の解釈について,その統一を欠くにいたるからである。

最三小判昭和44年11月25日判決(裁判所HPより)

前記のとおり,昭和43年11月判例は,あくまで元本完済後の支払いが過払い金となるという判断しかしておらず,一挙に元本と利息を支払った場合にも過払金返還請求ができるのかどうかについては,明確に判断していませんでした。

しかし,常識的に判断すれば,利息を少額ずつ支払った結果元本が計算上完済となった場合と,元本と利息として一挙に支払った場合とで,結論が異なるというのは,実に不自然な話です。

利息を少しずつ支払って元本が完済となろうが,元本・利息として一挙に支払った結果元本が完済となろうが,支払っている金額は同じであり,同じように扱うのが相当です。

例えば,約定に従えばあと100万円の借金が残っていましたが,利息制限法に従えば,あと20万円で完済となるという場合を想定してみます。

この場合に,毎月10万円ずつ支払っていたとすると,3ヶ月後には完済となり,その後毎月10万円ずつを7カ月,合計100万円を支払ったという場合,完済後に支払った70万円支払いはすべて過払金として返還請求できるということになります。

では,100万円を一括して支払ったとしたらどうでしょう?

この場合,約定に従うと借金全額を支払っただけということになりますが,利息制限法からすれば,上記10万円ずつ支払っていた場合と同様,70万円はやはり過払い金となると考えるのが常識的ですし,債務者保護を目的とする利息制限法の趣旨に沿うことになります。

そこで,少しずつ制限超過利息を支払った結果利息制限法に基づく計算上元本を充当してその後も支払いを続けた場合と,一括で約定に基づく元本と利息を支払ったが,計算上その一部だけで計算上元本が充当されていたといたという場合とで,結論を異ならせるのは不当として,どちらの場合も同じように扱えばよい,としたのが,この最高裁判所第三小法廷昭和44年11月25日判決,いわゆる「昭和44年判例」です。

つまり,先の例で言うと,10万円ずつ支払った場合であろうが,一挙に100万円支払った場合であろうが,70万円支払いすぎたことに変わりないのであるから,いずれの場合も,70万円の過払金返還を請求できるということです。

今現在では至極当たり前の話のようにも思えますが,かつてはこのような問題であっても,最高裁判所に係属するに至るほどに,過払金返還請求というものが確立されていなかったということです。

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