過払い金(過払金)の利息とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士が詳しくご説明いたします。

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過払い金(過払金)返還請求

サラ金などに対して長い間高い利息を支払い続けてきた場合,
払いすぎた利息(過払い金)を返してもらえる場合があります。

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過払い金(過払金)の利息とは?

貸金業者が悪意の受益者である場合,過払い金(過払金)に利息をつけて返還するように請求することができます。ここでは,この過払い金の利息についてご説明いたします。

過払い金(過払金)の利息と悪意の受益者

過払い金(過払金)の返還を請求できる法的な根拠は,不当利息返還請求権にあります。つまり,過払い金とは,貸金業者にとって不当な利得であるから返還を請求できるということです。

不当利得は,現存利益の返還を請求できるにすぎないのが原則です。しかし,利得者が「悪意の受益者」であるといえる場合には,現存利益のみならず,すべての利得に利息をつけて返還しなければならないとされています。

過払い金返還請求の場合も同様です。貸金業者が悪意の受益者である場合には,過払い金の全額に利息をつけて返還するように請求することができるのです。

貸金業者であることのみで悪意の受益者を認める判例

そうすると,貸金業者に対して過払金に利息をつけて返すように請求できるかどうかは,その貸金業者が悪意の受益者といえるのかどうかが問題となってくるということになります。

この点につき,最高裁判所第二小法廷平成19年7月13日(平成17年(受)第1970号事件)判決は,「貸金業者は,同項の適用がない場合には,制限超過部分は,貸付金の残元本があればこれに充当され,残元本が完済になった後の過払金は不当利得として借主に返還すべきものであることを十分に認識しているものというべきである。そうすると,貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるものというべきである。」と判示しています。

すなわち,上記特段の事情のない限り,貸金業者は,貸金業者であるというだけで,悪意の受益者であると認められるということです。

この判例を基礎とするならば,貸金業者に対して過払金の利息を請求するためには,その業者が貸金業者であること(または,あったこと)を主張立証すればよいだけということになります。

この判決後から後期の平成21年判決までの間は,貸金業者も,はっきり言って,悪意の受益者性について争ってくるようなことはほとんどありませんでした。

判例の変遷

その後,この過払い金の利息・悪意の受益者性については,多くの判例が出されてきました。そのうちで,悪意の受益者性に関し,貸金業者との争いを激化させたといわれる判例が, 上記と同じ最高裁判所第二小法廷の平成21年7月10日判決です。

上記平成21年判例は,「平成18年判決が言い渡されるまでは,貸金業者において,期限の利益喪失特約下の支払であることから直ちに同項の適用が否定されるものではないとの認識を有していたとしてもやむを得ないというべきであり,貸金業者が上記認識を有していたことについては,平成19年判決(前記の平成19年7月13日(平成17年(受)第1970号事件)判決のことです。)の判示する特段の事情があると認めるのが相当である。したがって,平成18年判決の言渡し日以前の期限の利益喪失特約下の支払については,これを受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできない。」と判示しました。

ここでいう平成18年判決とは,第二小法廷平成18年1月13日判決のことです。同判例は,期限の利益喪失約款による利息制限法の制限超過利息の支払い強制のある状況下では,仮に制限超過利息を支払ったとしても,その支払いに任意性は認められず,したがってみなし弁済は成立する余地がないという判決です。

貸金業者は,利息制限法の制限超過利息も含めて支払いを怠った場合には,期限の利益が失われ,残額を一括して支払わなければならないという条項を契約書に記載しているのが通常ですが,そのような利息制限法違反の強制がある状況の下では,債務者としては支払わざるを得ない状況に追い込まれてしまうので,仮に制限超過利息を支払ったとしても,債務者が任意に支払ったものではなく強制的に支払わされたようなものなので,支払いの任意性というみなし弁済の要件を満たさず,したがって,みなし弁済は成立しないというものです。

期限の利益喪失約款を定めずに貸付けを行う貸金業者は現実的にはほとんどいませんから,この平成18年判例は実質的にみなし弁済の適用の余地がないことを明らかにした画期的判決であるといわれています。

ところが,平成21年判例は,この平成18年判例が出されるまでは,貸金業者としても,まさかみなし弁済の適用がなくなるとは考えていなかったはずであるから,少なくとも平成18年判例が出された平成18年1月13日までは,単に貸金業者であるというだけでは悪意の受益者とは認められないという判断をしたのです。

そのため,現在では,平成18年1月13日以前については,単に貸金業者であるというだけでその貸金業者を悪意の受益者と認めることはできないという運用になってしまっています。

ただし,そうであったとしても,悪意の受益者とはいえないという特段の事情はやはり貸金業者の側で主張立証すべきです。したがって,平成18年1月13日以前に悪意の受益者でなかったということは,貸金業者の側で主張立証すべきであり,過払金請求者の側では,貸金業者であること,貸金業者の主張立証に対する反証をすれば足りると考えるべきでしょう。

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