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過払い金返還請求

貸金業者による過払い金返還請求訴訟の移送申立ての問題

過払い金返還請求訴訟を提起した場合,貸金業者が訴訟の移送を申し立ててくるという場合があります。ここでは,この貸金業者による過払い金返還請求訴訟の移送申立ての問題について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

移送申立て

どの裁判所に,どのような事件の訴訟を提起すればよいのかは,すべて法律で決められています。過払い金返還請求訴訟も同様です。どの裁判所に訴訟を提起すべきかという問題のことを「管轄」の問題と呼んでいます。

上記のとおり,裁判の管轄は法律で決められていますので,法定の管轄と異なる裁判所に訴訟を提起することはできないのが原則です。

間違った管轄の裁判所に訴訟を提起した場合,それは不適法ということになりますから,その訴えは却下されてしまうことになるはずです。

もっとも,せっかく準備をして訴えを提起したのに,管轄が違うということで不適法却下され,再度訴えを提起し直すというのは不経済です。

そこで,管轄が間違っていた場合に備え,「移送」という制度が用意されています。移送とは,ある裁判所が,係属している事件を別の裁判所に係属させる制度のことです。

例えば,A裁判所に訴えが提起されましたが,調査の結果,実はその事件の管轄はB裁判所であったという場合に,A裁判所が移送決定をして,その事件をB裁判所に移すということができます。

その結果,その事件はB裁判所に係属することになり,B裁判所で審理が行われることになります。

このように,管轄が違う場合には移送が行われることになります。この移送のことを「管轄違いによる移送」といいますが,これ以外の理由でも,移送がなされることがあります。

管轄違いによる移送のほかには,遅滞を避けるための移送,当事者の申立てによる移送などがあります。

また,事件が複雑で簡易裁判所で審理するのに適していないような場合には,簡易裁判所から地方裁判所への移送が行われることがあります。

>> 過払金返還請求訴訟はどの裁判所に訴え提起すればよいのか?

貸金業者による移送申立ての濫用

最近ではほとんどなくなりましたが,かつては,貸金業者が,この移送申立てという制度を濫用して訴訟の引き延ばしを図ろうとしていたことがありました。

つまり,消費者が,貸金業者に対して過払い金返還請求の訴訟を提起すると,貸金業者側が管轄が違うなど様々な理由を付けて,裁判所に対して移送をするように申立てをしてきていたのです。

貸金業者は全国的に支店を持っていますから,別にどこで訴えられてもさほど困ることはないはずです。

しかし,それでも上記のように移送申立てをしてきていた目的は,やはり訴訟の引き延ばしということにあるでしょう。

また,移送先が遠方の裁判所になってしまうと,過払い金の請求額が少額の場合,その遠方の裁判所まで行く交通費の方が高くついてしまうということもあり得ます。

それによって,消費者側が過払い金返還請求を断念するという場合もあるでしょう。それも,貸金業者による移送申立ての目的の1つと思われます。

移送申立てを否定した最高裁判例以後

貸金業者による移送申立ては,裁判所でもあまり認められなかったようです。LSC綜合法律事務所で取り扱った事件でも,移送申立てが認められた例はありませんでした。

もっとも,貸金業者寄りの裁判官もいますから,まったく移送申立てが認められなかったわけではなく,移送が認められた事例も少なからずあったようです。

特に,1人の消費者が,複数の貸金業者を相手取って過払い金返還請求訴訟を提起する場合で,個々の貸金業者に対する過払い金の金額は140万円以下であるものの,複数の貸金業者に対する過払い金の金額を合計すると140万円を超えるために,地方裁判所に訴訟を提起したという場合は,かなり激しく争われていました。

これについては,最高裁判所第二小法廷平成23年5月18日決定が,貸金業者側の移送申立てを認めないという判断をくだしました。

この最高裁判例後は,ほとんど貸金業者側から移送申立てがなされることはなくなりました。

現在では,この移送申立てはあまり問題とならないでしょうが,また違う理由を考え出して移送申立てを乱発してくるということがないとも限りませんので,一応移送申立てについても,注意はしておくべきでしょう。

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