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個人再生の申立て

住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可要件とは?

個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可されるためには,個人再生本体(小規模個人再生または給与所得者等再生)の再生計画認可の要件を充たしているだけでなく,再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合に該当し,かつ,住宅資金特別条項を定めた再生計画固有の認可要件を充たしていることが必要となります。

ここでは,この個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可されるためにはどのような要件が必要となるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を定めた再生計画

個人再生には,住宅ローン等住宅資金だけは通常どおり(またはリスケして)返済を行い,住宅ローンの残っている自宅を維持したまま,その他の借金など債務について整理することができる住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という制度があります。

住宅資金特別条項制度を利用するためには,住宅資金特別条項を定めた再生計画を裁判所によって認可してもらう必要があります。

個人再生手続において,再生計画を認可してもらうためには,まずは再生手続を開始してもらわなければ話になりません。再生手続を開始してもらうためには,開始の要件を充たしている必要があります。

もちろん,再生手続が開始されたからといって,当然に再生計画が認可されるわけではありません。再生計画認可の要件も充たしていなければなりません。

また,住宅資金特別条項制度は,個人再生(小規模個人再生または給与所得者等再生)に付随する制度です。

そのため,住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可してもらうには,個人再生本体の要件だけではなく,住宅資金特別条項に固有の要件を充たしている必要もあります。

したがって,住宅資金特別条項を定めた再生計画を認可してもらうためには,まず再生手続を開始してもらった上で,さらに,個人再生本体の再生計画認可の要件と住宅資金特別条項固有の再生計画認可の要件の両方を充たしていなければならないということになります。

>> 住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは?

小規模個人再生または給与所得者等再生の再生計画認可の要件

前記のとおり,住宅資金特別条項(住宅ローン特則)は個人再生(小規模個人再生または給与所得者等再生)に付随する特別な制度です。

したがって,住宅資金特別条項を定めた再生計画を認可してもらうためには,個人再生本体の再生計画認可要件も充たしている必要があります。

再生計画認可の要件は,小規模個人再生と給与所得者等再生では異なる部分があります。

いずれにしても,まずは個人再生本体の再生計画認可要件を充たしていなければ,住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可されることもありません。

>> 個人再生における再生計画認可の要件

住宅資金特別条項を定めた再生計画固有の認可要件

個人再生において住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を定めた再生計画が認可されるためには,そもそも,当該事案が再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合でなければなりません。

また, 再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合であっても,民事再生法において定められている再生計画の不認可事由がある場合には,再生計画は認可されないことになります。

したがって,住宅資金特別条項を定めた再生計画を認可してもらうためには,「再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合であること」と「再生計画の不認可事由がないこと」が必要となってきます。

>> 住宅資金特別条項を利用する場合の要件(まとめ)

再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合であること

民事再生法 第202条

第1項 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には,裁判所は,次項の場合を除き,再生計画認可の決定をする。
第2項 裁判所は,住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合において,次の各号のいずれかに該当するときは,再生計画不認可の決定をする。
① 第174条第2項第1号又は第4号に規定する事由があるとき。
② 再生計画が遂行可能であると認めることができないとき。
③ 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき。
④ 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。
<第3項以下略>

民事再生法 第231条

第1項 小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には,裁判所は,第174条第2項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは,第202条第2項)又は次項の場合を除き,再生計画認可の決定をする。
第2項 小規模個人再生においては,裁判所は,次の各号のいずれかに該当する場合にも,再生計画不認可の決定をする。
⑤ 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において,再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。
<第3項以下略>

民事再生法 第241条 第2項

裁判所は1,次の各号のいずれかに該当する場合には,再生計画不認可の決定をする
<第1号,第2号略>
③ 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において,第202条第2項第3号に規定する事由があるとき。
<第4号略>
⑤ 第231条第2項第2号から第5号までに規定する事由のいずれかがあるとき。
<第6号以下略>

個人再生において住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を定めた再生計画が認可されるためには,そもそも,再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合でなければなりません。

再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合とは,以下の要件を充たしている場合です。

>> 再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合とは?

再生計画不認可事由がないこと

民事再生法 第202条

第1項 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には,裁判所は,次項の場合を除き,再生計画認可の決定をする。
第2項 裁判所は,住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合において,次の各号のいずれかに該当するときは,再生計画不認可の決定をする。
① 第174条第2項第1号又は第4号に規定する事由があるとき。
② 再生計画が遂行可能であると認めることができないとき。
③ 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき。
④ 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。

民事再生法 第231条 第2項 第5号

再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において,再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。

民事再生法 第241条 第2項 第3号

再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において,第202条第2項第3号に規定する事由があるとき。

再生計画に住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を定めることができる場合だからといって,必ず再生計画が認可されるわけではありません。

再生計画が認可されるためには,民事再生法で定める再生計画不認可事由がないことが必要となります。

前記のとおり,再生計画不認可事由は,小規模個人再生と給与所得者等再生とで共通するものもありますが,それぞれに固有の不認可事由もあります。

さらに,住宅資金特別条項を定めた再生計画の場合には,小規模個人再生給与所得者等再生の不認可事由のほかに,住宅資金特別条項を定めた再生計画固有の不認可事由があります。

小規模個人再生または給与所得者等再生の不認可事由と住宅資金特別条項を定めた再生計画の不認可事由のいずれにも該当しない場合でなければ,住宅資金特別条項を定めた再生計画は認可されません。

具体的にいうと,住宅資金特別条項に固有の再生計画認可要件として,以下のものが必要となるということです。

  • 再生計画に住宅資金特別条項の定めをすること
  • 再生計画が遂行可能であると認められること
  • 再生債務者が住宅の所有権または住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれないこと

>> 住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の不認可事由とは?

住宅資金特別条項を定めた再生計画認可の要件(まとめ)

まとめると,個人再生において住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を定めた再生計画が認可されるためには,以下の要件が必要となります。

  • 個人再生本体(小規模個人再生または給与所得者等再生)の再生計画認可の要件を充たしていること
  • 住宅資金特別条項の対象となる債権が「住宅資金貸付債権」に当たること
  • 住宅資金貸付債権が法定代位により取得されたものでないこと
  • 対象となる住宅に住宅ローン関係の抵当権以外の担保が設定されていないこと
  • 対象となる住宅以外の不動産にも住宅ローン関係の抵当権が設定されている場合には,その住宅以外の不動産に後順位抵当権者がいないこと
  • 個人再生申立ての際に提出する債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨を記載すること
  • 保証会社が住宅資金貸付債権の保証債務を履行(代位弁済)した場合は,その保証債務の全部を履行(代位弁済)した日から6か月を経過する日までの間に再生手続の申立てがされたこと
  • 住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出したこと
  • 再生計画が遂行可能であると認められること
  • 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれないこと

これらすべての要件を充たしていなければ,住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可には至らないということです。

これらすべての要件を充たしているかどうかを判断するためには,専門的な知識を要する場合があります。

住宅資金特別条項のご利用をお考えの方がいらっしゃいましたら,個人再生・住宅資金特別条項事案の経験豊富なLSC綜合法律事務所にご相談ください。ご相談は「無料」です。

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