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個人再生の申立て

住宅資金特別条項を定めた再生計画固有の不認可事由とは?

個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可されるためには,住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の不認可事由がないことが必要です。住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の不認可事由としては,①再生計画に住宅資金特別条項の定めをしなかったこと,②再生計画が遂行可能であると認めることができないこと,③再生債務者が住宅の所有権または住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれること,があります。これらのうち1つにでも該当する場合には,住宅資金特別条項を定めた再生計画は認可されません。

ここでは,この住宅資金特別条項を定めた個人再生の再生計画に固有の不認可事由について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を定めた再生計画の不認可事由

民事再生法 第202条

第1項 住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合には,裁判所は,次項の場合を除き,再生計画認可の決定をする。
第2項 裁判所は,住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決された場合において,次の各号のいずれかに該当するときは,再生計画不認可の決定をする。
① 第174条第2項第1号又は第4号に規定する事由があるとき。
② 再生計画が遂行可能であると認めることができないとき。
③ 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき。
④ 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。
<第3項以下略>

民事再生法 第231条

第1項 小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には,裁判所は,第174条第2項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは,第202条第2項)又は次項の場合を除き,再生計画認可の決定をする。
第2項 小規模個人再生においては,裁判所は,次の各号のいずれかに該当する場合にも,再生計画不認可の決定をする。
⑤ 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において,再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。
<第3項以下略>

民事再生法 第241条 第2項

裁判所は1,次の各号のいずれかに該当する場合には,再生計画不認可の決定をする
<第1号,第2号略>
③ 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において,第202条第2項第3号に規定する事由があるとき。
<第4号略>
⑤ 第231条第2項第2号から第5号までに規定する事由のいずれかがあるとき。
<第6号以下略>

個人再生には,住宅ローン等住宅資金だけは通常どおり(またはリスケして)返済を行い,住宅ローンの残っている自宅を維持したまま,その他の借金など債務について整理することができる住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という制度があります。

住宅資金特別条項制度を利用するためには,住宅資金特別条項を定めた再生計画を裁判所によって認可してもらう必要があります。

裁判所によって住宅資金特別条項を定めた再生計画を認可してもらうためには,以下の要件を充たしている必要があります。

それがあると再生計画を認可してもらえなくなる事由のことを「不認可事由」といいます。

個人再生(小規模個人再生または給与所得者等再生)そのものについても不認可事由が定められていますが,それとは別に,住宅資金特別条項を利用する場合には,住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の不認可事由も定められています。

したがって,個人再生本体の再生計画認可要件を充たし,再生計画に住宅資金特別条項を定めることができる場合であったとしても,住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の不認可事由がある場合には,住宅資金特別条項を定めた再生計画は認可されないことになります。

個人再生における住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の不認可事由としては,以下のものがあります。

  • 再生計画に住宅資金特別条項の定めをしなかったこと
  • 再生計画が遂行可能であると認めることができないこと
  • 再生債務者が住宅の所有権または住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれること

>> 住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の認可要件とは?

再生計画に住宅資金特別条項の定めがないこと

住宅資金特別条項を利用するためには,個人再生の申立書に添付する債権者一覧表に,住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨を記載する必要があります。

もっとも,債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨を記載をしたにもかかわらず,再生計画に,住宅資金特別条項を定めなかった場合,それは不認可事由となり,住宅資金特別条項を定めた再生計画は不認可となってしまいます(民事再生法231条2項5号,241条2項5号)。

したがって,住宅資金特別条項を利用する場合には,再生計画に住宅資金特別条項を定めることを忘れないようにしなければなりません。

ただし,実際には,住宅資金特別条項を定めないまま再生計画案を裁判所または個人再生委員に提出してしまったとしても,裁判所または個人再生委員から住宅資金特別条項を定めるよう指導されるでしょう。

そのため,再生計画に住宅資金特別条項の定めをし忘れる,ということは実務上ほとんどないと思われます。

再生計画が遂行可能であると認めることができないこと

住宅資金特別条項を定めた再生計画を遂行可能であると認めることができない場合,それは不認可事由となり,住宅資金特別条項を定めた再生計画は不認可となってしまいます(民事再生法202条2項2号)。

個人再生本体についても,再生計画の遂行可能性が無いことは不認可事由とされています。

さらに,個人再生本体については再生計画の遂行可能性があるとしても,住宅資金特別条項を定めた再生計画として考えた場合には再生計画遂行可能性がないという場合には,やはり,住宅資金特別条項を定めた再生計画は不認可となります。

例えば,収支から考えて,個人再生で減額された再生債権を支払いつつ,住宅ローンを支払っていくことが難しいであろうと判断されるような場合が考えられます。

住宅・敷地使用権を失う見込みがあること

再生計画に住宅資金特別条項を定め,再生計画の遂行が可能であるとしても,住宅の所有権または住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれる場合には,不認可事由に該当し,住宅資金特別条項を定めた再生計画は不認可となってしまいます(民事再生法202条2項2号)。

住宅資金特別条項を定めた再生計画を認可したとしても,結局,その住宅を失うことになってしまうのでは,再生計画を認可する意味がないからです。

住宅の所有権だけでなく,その住宅の敷地使用権が失われると,住宅を維持することはできなくなりますから,住宅の敷地利用権を失う見込みがある場合も不認可事由に該当するものとされています。

典型的なケースは,住宅またはその敷地に抵当権を設定している抵当権者が抵当権を実行することが見込まれる場合です。

住宅資金貸付債権に該当する住宅ローン等以外の債権を担保するための抵当権が設定されている場合や,住宅ローンの連帯保証人等が自己破産した場合などには,住宅またはその敷地に抵当権を設定している抵当権者が抵当権を実行する可能性が生じます。

したがって,個人再生において住宅資金特別条項を利用しようという場合には,住宅またはその敷地について抵当権を実行される可能性があるのかどうかをよく検討する必要があります。

>> 住宅資金特別条項に強い弁護士をお探しの方へ

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