破産財団とは?
破産手続中に,破産管財人が管理・換価処分することになる破産者の財産の総体のことを「破産財団」といいます。ここでは,この破産財団とは何かについてご説明いたします。
(著者 : 弁護士 志賀 貴 )
破産財団の意味
【破産法 第2条14号】
この法律において「破産財団」とは,破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって,破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。
破産手続は,破産者の財産を換価処分して,それによって得た金銭を債権者に弁済・配当するという手続です。
破産者が免責されると,債権者は(原則として)その債権を回収することはできなくなりますから,債権者の利益を最大限かするためにも,いかに確実に,破産者の財産を確保・管理・換価処分するのかということが,非常に重要となってきます。
特に破産者による隠匿や消費等を防ぐことが重要となってきます。
また,債権者の平等も図る必要があります。そのためには,特定の債権者が先走って財産を奪ってしまわないようにもする必要があります。
そこで,債権者に配当されるべき破産者の財産は,破産者や債権者が勝手に処分できないように,破産管財人によって管理・処分されることになります。
この破産管財人に管理・処分される破産者の財産の総体を,上記条文のとおり,「破産財団」と呼んでいます。
財団というと,何らかの組織のようなものを想像してしまいがちですが,そういう意味ではなく,あくまで,破産財団とは,換価処分すべき財産の総体を指す言葉です。
なお,一般的な破産手続は,破産者の財産を換価処分しますが,特殊な破産手続として相続財産破産や信託財産破産といった制度があります。
これらの場合には,それぞれ,処分されるものが破産者の財産ではなく,相続財産や信託財産となるので,これらが破産財団を構成することになります。
破産財団に組み入れられる財産
破産財団に組み入れられる財産は,上記のとおり,破産者の財産(※相続財産破産・信託財産破産については,ここでは触れません。)ですが,あらゆる破産者の財産が破産財団に組み入れられるというわけではありません。
個人の自己破産において,破産財団に組み入れられる財産とは,「自由財産に当たらない財産」です。具体的に言えば,以下の要件を満たす財産が破産財団に組み入れられることになります。
- 「財産」であること(換価価値があること)
- 破産手続開始時に破産者が有していること
- 差押えが可能であること
- 現金の場合は99万円を超える部分だけであること
- 自由財産の拡張が認められたものでないこと
- 破産管財人によって破産財団から放棄されたものでないこと
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